2007年6月26日火曜日

地元紙「わかやま新報」に連載しているコラム原稿

    わさびの里さらさら 19

 山の気流によって樹々の葉が翻るとき、緑は銀にも藍色にも輝きます。

 先日初めて、日高地方に「風力発電」計画がある事を知りました。エネルギー問題について全く無知であった事を恥じ、これからは真剣に取り組んでみようと勉強会を開いています。

 「風力発電」誘致計画の問題点を整理してみましょう。

1、生態系に関する環境アセスメント(環境影響評価)が公的に行われているのか? その評価が地域住民に納得いく形で説明等がなされているのか?

2、一基2億円かかるとされる建設コストが、電力売買によって2億円が何年で回収出来るのか? 採算性の見込みが本当にあるのか?

3、北海道などでよくある落雷事故や、和歌山を直撃する台風被害等を含め、事業主は完成後の長期に亘るメンテナンスに耐える力を有しているのか?

  また、開発に伴う一時的利益を目的としたものでは無いといえるか。

の、3点に絞られると思います。

 

調査した今の段階では、11月に着工予定の「日高・由良地区」は特に、渡り鳥のルートにかかっており、さらにその工事残土は多くの希少生物の棲む地元の湿地帯に埋めるとされています。

 低周波による健康被害は世界的な関心事と先日、新聞1面トップで報じられました。広川町の一基は、騒音被害が出て夜間は止められていますが、もっと恐ろしいことは、未来の子ども達の健康被害が隠されようとしていることです。

すでに、他の二基は台風による倒壊があったとされています。果たして、計画案の電力量と、実際稼働している電力量はどれ程の差があるのでしょう。

 地元和歌山でも、驚くほどの「風力発電」建設計画があり、日本中の山々や海岸線にも夥しい数の計画があります。開発予定の地権者でもある友人は、「毎日見ていると、山に大きな手裏剣が突き刺さって行くようで心が痛い。納得の行かないままでは、次の世代の者に申し訳ない・・・」と話しています。

 そよぐ風に耳を澄ませていると、大和の国は遥か太古から山や海の神々によって守られて来たのだという木霊(こだま)が聴こえてきます。今こそ、神々の御こころを持ち、一人ひとりが真剣に未来図を描かなければならない時だと思います。 

(tanpopo)

 

0 件のコメント: