2007年10月24日水曜日

要望書

                                       要望書
 
   「風力発電による危険性と景観破壊は和歌山県には不必要」
                                
                                        2007年10月吉日

 和歌山県知事 仁坂吉伸様

                       

                                   和歌山の「いのち」と「景観」を危惧する者一同

                                                       世話役 黒田街子

         

 和歌山県内における風力発電計画に関する要望・署名を提出します。

 

和歌山県内で一部の人しか知らされていない風力発電施設計画は、発電機による人体被害の危険性と、世界遺産への景観破壊を孕んでいます。このような国・県の施策に対し、良識ある県民及び全国の心ある人々・3943名の反対署名が集まりました。ここに、3943名の署名を添え、仁坂県知事様の基本的な考え、具体的な取り組みにつきまして「公式なご回答」をお願いするものです。

僅か二ヶ月の署名活動において、この計画反対の声の多さは一体何を意味するものでしょう。

国・県政において、取り返しの付かない施策が莫大な予算執行を伴うにも関わらず、一部の人にしか知らされていないことは、風力発電計画のもたらす問題の重大さを超えて、そこに不気味さをも物語っています。

わたくしたちは、中紀の風力発電計画を3ヶ月前に知り、小学校や中学校で習うクリーンエネルギーという美名の風力発電全般について、月二回の勉強会を重ねて来ました。その結果、外国ではクリーンであっても、国土が狭く人口密度の高い日本では、風力発電機より発する低周波音は、直截的に人体に健康被害を引き起こす危険性が非常に高く、現に、和歌山県民にもその被害者が現れていることを知りました。

 

一方、建設予定地は「渡り鳥」のルートであったり、歴史的意義や価値のある建造物の景観を遮ることも判明しました。さらに、わたくしどもの調査研究において、不気味な圧力を感じたことも事実であり、証拠写真をインターネットで公開準備中です。この中に、国・県職員がいると面白い問題へと発展するでしょう。

また手抜きとも考えられる環境アセスメントに関する疑問は大きく、国・県政への不信感も募っています。

 

建設反対の立場から、低周波音の健康被害に関して、その専門家でいらっしゃる元京都大学教授・汐見文隆先生はその都度、計画案の全面撤回を叫ばれました。広川町では住民の健康被害が現実のものとなり、窮余の策として発電の夜間停止が実施されはしたものの、後には取り返しのつかない新たな風力発電公害となりつつあります。

このように、低周波による人体への健康被害は科学的に立証されているにも関わらず、他の地域では執拗と思える程に、風力発電機を里山の近くに建設しようとする計画が進められています。

しかしこのような中、山の斜面と風力発電施設がもたらす土砂災害を懸念し、一基の建設も許さないと反対決議をし、計画案の全面見直しまでこぎつけた日高町上志賀地区もあります。

 

 世界遺産として世界に誇る熊野古道。しかしこのままでは、夥しい数の風力発電機の林立する様が、熊野古道に通じる国道から目に入ることでしょう。これが現実となった場合、世界遺産の「危機遺産リスト」に登録されるという事も起こるやもしれません。

 ここに、県独自のガイドラインを作り、環境アセスメントを手抜くことなく公明にし、風力発電機の危険性及び景観破壊、現計画をガラス張りにするなど、県民に対し誠実に周知徹底することを要望します。

 

 内村鑑三は『後世への最大遺物』という講演の中で「我々を育ててくれた山、河、これらに私が何も遺さずには死んでしまいたくない、との希望が起こってくる。・・・私がドレほどこの地球を愛し、ドレだけこの世界を愛し、ドレだけ私の同胞を思ったかという記念物を、すなわち英語でいう Memento を残したいのである。」と若者に語り掛けています。

 

 未来の子ども達へ、わたくしたちは、後世への清い決意を遺したいと思います。

『神々の在す紀州の山並みに、風力発電機は決して建てさせない!』と。

 

 

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